建築板金業界に興味はあるものの、将来性はあるのか気になってなかなか一歩を踏み出せないという方もいるでしょう。建築板金業界は課題もある一方で、実は今後も需要が見込まれる、将来性のある業界でもあります。
今回はそんな建築板金業界について、課題や将来性、キャリアプランなどを解説していきます。
■建築板金工事業界の課題
建築板金工事は、建物の耐久性や防水性、保温性などを向上させ、美観を確保するために欠かせない役割を担っています。
建物における「雨仕舞い」の仕事ともいわれ、具体的には屋根や外壁などのつなぎ目から雨や風が侵入しないように板金加工をしたり、雨樋を適切に設置して雨漏りを防いだりする仕事です。金属に対する豊富な知識と専門的な技術を駆使し、正確で美しく仕上げることが求められます。
まずは、そんな建築板金工事業界が抱えている課題について解説します。
・建設業界全体における若手の減少
建築板金工事業界に限らず、建設業界全体において、深刻な人手不足や若者離れが課題となっています。建築業界は屋外環境での肉体労働や長時間労働などのイメージをもつ人が多いこともあり、それらのイメージが若者離れの一因となっているでしょう。
技術者の高齢化が進む一方で若手人材が不足していることから、今後ベテラン層が退職を迎えるとさらに人手不足が加速することが懸念されます。建築板金工事業界においても、若手人材の育成が求められています。
・労働環境の悪さ
長時間労働や休日の少なさなど、労働環境の改善も課題となっています。「働き方改革関連法」によって労働時間の改善のための取り組みが行われていたり、業務の効率化に向けた取り組みが行われていたりと、建設業界での労働環境の改善は急務となっています。
また、労働災害の多い業界でもあることから、ICT化による安全作業技術の導入なども課題のひとつです。
・ビジネスモデルの課題
建築板金工事は、元請け業者から下請けに出され、建築会社が受注する形が一般的です。しかし、下請けの場合は元請け業者からマージンを引かれるため、手取りが少なくなってしまうという現状があります。また、材料費の高騰などの影響もあり、利益率の改善も課題です。
今後は建築板金工も直接仕事を受ける能力が求められ、新規顧客を獲得するために工夫していく必要があります。
■建築板金工の将来性
建築板金工事業界は課題がある一方で、将来性も十分見込める業界です。ここでは建築板金工の将来性について解説していきます。
・リフォーム・リノベーションの需要が見込める
建築板金の仕事は、新築はもちろんリフォーム・リノベーションにおいても需要が見込めます。空き家の有効活用やリノベーションブームなどさまざまな要因が相まって、リフォーム・リノベーション市場は成長傾向にあります。特に外装リフォームは建築板金が活躍できる分野です。
建物の寿命を左右する建築板金工事は、必要なメンテナンスとして定期的に行わなければならないため、今後も需要は見込めるといえるでしょう。特に屋根や外壁は建築板金工が単体でできる工事であるため、今後も活躍の場として期待がもてます。
・リフォーム、リノベーション案件を直接受注する会社が増加している
リフォームやリノベーションにおいて、建築板金工が外壁工事や屋根の葺き替え工事を直接受注するケースは増加傾向にあります。インターネットが普及したことでホームページからの問い合わせや依頼がしやすくなったこともあり、中小企業や個人事業主の建築板金工は元請け業者からの依頼だけに頼らなくても受注できるようになってきました。
新築住宅は住宅メーカーなどの大手が強いものの、外壁工事や屋根の補修、葺き替え工事などは「外壁工事 ◯◯(地域名)」のように、地域名を入れて検索をして業者を探す人も多くいます。ホームページをもっていて適切に運用ができていれば、元請業者からの依頼だけでなく、直接受注できるチャンスが広がるでしょう。
■建築板金工は未経験でも可能?
建築板金工は、特別な資格をもっていなくても未経験から始められます。実際に建築板金工事業界では、学歴や年齢を問わず、未経験から始めている人が多くいます。現場経験を積むことで必要な知識や技術を習得できるほか、働きながら資格の取得を目指すことも可能です。
■建築板金工事のキャリアプラン
建築板金工は、内装から外装まで幅広く使用され、建物を守るために大切な役割を担っています。基本的には現場で経験を積みながら身につけていくため、先輩の職人の現場に同行して、簡単な作業から少しずつ習得していく形が一般的です。若手の育成に熱心な会社を選べば、未経験でも安心して働けるでしょう。
キャリアアップを目指すのであれば、資格の取得もおすすめです。中央職業能力開発協会が主催する検定試験のなかの「建築板金技能士」は、建築板金に関する国家資格で、都道府県職業能力開発協会の試験に合格することで取得できます。初級レベルの3級から上級レベルの1級まで段階的に取得できるので、働いて経験を積みながらでも取得を目指せます。
また、一般財団法人「建設業振興基金」が主催する「建築施工管理技士」は、後輩の指導や現場監督を担当する立場を目指せる資格です。2級を取得すると「主任技術者」として認められ、1級を取得すると「監理技術者」として認められるようになります。
資格はスキルの証明になるため、取得することで任される仕事の幅が広がったり、給与アップにつながったりするでしょう。また、転職の際にも有利に働くことが期待できます。
企業によっては資格の取得をバックアップする制度が整っているところもあり、たとえば資格取得のために勤務時間を調整してくれるケースもあります。資格取得に対して前向きな企業であれば、実務と両立しながら資格取得を目指せるでしょう。
■まとめ
建築板金工事業界は、人手不足や労働環境の改善などの課題がある一方で、今後も需要が見込まれる、将来性のある業界です。特別な資格がなくても未経験から始められ、キャリアアップも可能です。
栃木県那須塩原市を拠点とする株式会社ゼストは、お客様に「便利」をお届けします。お住まいに合わせて最適なご提案をし、屋根の葺き替え工事から雨樋工事まで、住まいの美観と機能性を向上させるリフォーム工事をご提供いたします。
雨漏りの調査や工事にも対応しており、定期的なメンテナンスなどのアフターフォローも充実しておりますので、安心してお任せください。
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