【意外と知らない】建築板金とは?役割・必要性について解説!

「建築板金」とはあまり聞き慣れない方もいるかもしれませんが、実は快適な住まいのためには欠かせない身近な存在です。今回は建築板金とは何なのか、どのような種類があるのか、役割や必要性も交えて解説していきます。




■建築板金とは?



建築板金とは、薄い金属板を用途に合わせて加工して建築物に取り付けることをいいます。金属板を切断したり、変形させたり、貼り合わせたりして、屋根や外壁、雨樋などの施工をします。


現在の日本の住宅のほとんどはこの建築板金がどこかに使われているため、実は非常に身近で、なくてはならない存在です。



・屋根工事との違い

屋根工事というと、瓦工事や雨漏りの修理業者などのイメージが強いかもしれません。しかし、実は屋根工事を行う業者は大きく分けて2つの種類があります。1つ目は、瓦を扱う業者です。「瓦屋さん」や「葺き師」などと呼ばれることもあり、その名の通り和瓦や洋瓦を扱います。


2つ目は、建築板金の業者です。「板金屋さん」とも呼ばれ、住宅はもちろんさまざまな建物に欠かせない、建物を雨漏りから守るためのあらゆる仕事をしている業種です。金属建材を使用する工事の全般を担当し、金属屋根の工事はもちろん、金属製の外壁や雨樋などの工事も行います。また、金属製以外の屋根でも、雨水の侵入を防ぐために屋根材どうしの隙間や屋根材と外壁の隙間などを埋めるのも建築板金の仕事です。


つまり、建築板金とは瓦以外の屋根の工事全般、金属製の外壁や雨樋、雨水を排出する水切りの設置など、建物を雨水から守るために高度な技術で施工することをいいます。




■建築板金の種類



金属板金は、建物への雨水の侵入を防ぐためにさまざまな箇所で活躍しています。ここでは建築板金の主な種類について、それぞれの役割や特徴を交えて解説します。



・金属屋根

以前は金属屋根といえば軽量で安価なトタン屋根が主流でしたが、サビに弱く、断熱性や遮音性も低いことから、現在ではガルバリウム鋼板が主流になっています。軽量で安価なのはもちろん、トタン屋根よりも耐久性に優れ、デザインも豊富にあることから人気の高い屋根材です。


金属屋根はリフォーム工事でもよく採用されており、下地から新しくする「葺き替え工事」と既存の屋根の上から新しい屋根を葺く「カバー工法」のどちらでも施工できます。



・金属サイディング

金属サイディングとは、金属製の外壁材のことです。以前は金属製の外壁材といえばブリキやトタンが主流でしたが、現在では屋根と同様にガルバリム鋼板が主流になっています。耐久性が高く、断熱性能やメンテナンス性能にも優れていることから人気が高い外壁材です。


リフォーム工事では既存の外壁に重ねて施工する「カバー工法」ができることから人気がありましたが、近年では新築でもよく使われるようになってきています。



・金属製の雨樋

以前の雨樋はブリキ製が主流で、板金工事といえば雨樋工事を示すほどでしたが、現在では樹脂製品が主流となりつつあります。しかし今でも一部の建物では金属製の雨樋が使われているので、完全になくなったわけでは



・庇板金

庇(ひさし)板金とは、玄関の外や窓の上の外壁などに取り付けられた、日よけや雨よけのための屋根状のものを指します。近年は簡単に取り付けられる後付け庇が主流になりつつあるほか、窓性能の向上やデザイン性の観点から庇の採用が減ってきていることなどから、板金工事の専門性が薄れてしまっています。



・屋根板金

屋根板金とは、屋根の接合部分の隙間を塞ぐ工事です。具体的には、主にスレート系の屋根を止めている金属部分のことを指します。屋根の頂上部分を「棟板金」、屋根が谷状になった部分を「谷樋板金」、屋根と外壁が接合されている部分を「雨抑え板金」というなど、屋根板金にもさまざまな種類があります。




■建築板金の必要性



屋根にはさまざまな形状がありますが、どのような形状の屋根でも、全体が均一に雨水に強いわけではありません。どのような形状の屋根でも、またどのような屋根材でも、屋根材の接合部分や谷状になった部分はどうしても雨水の影響を受けやすく、雨漏りを発生させるリスクがあります。


建築板金のなかでも屋根板金は、こうした屋根の弱点となる部分を強化するために重要な存在です。屋根材の接合部分は隙間から雨水が入りやすいだけでなく、風やゴミ、虫なども侵入しやすくなってしまいます。また、谷状になった部分は雨水が溜まりやすく、排水がスムーズにいかないと劣化が進んでしまいます。


屋根板金は屋根材の隙間をしっかり埋めたり、谷状の部分の排水がスムーズにいくように施工したりと、建物を雨水から守ってくれる役割を果たしてくれます。


このように建築板金は、建物の弱い部分を守ってくれる重要な役割を担っています。建材の接合部分や谷状になった部分は劣化しやすい箇所でもあるので、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。建築板金の劣化をそのままにしておくと雨漏りの原因となってしまうので、必ず専門業者にメンテナンスを依頼しましょう。




■建築板金のことは専門業者に相談しよう



建物を守る重要な役割を担う建築板金は、素人の目ではわからないような劣化や不具合が生じている恐れもあります。強風や日光の影響などで釘が緩んでいたり、隙間ができていたりすると、雨漏りを発生させてしまうだけでなく、風やゴミ、虫なども侵入してきてしまいます。また、雨漏りをそのままにしていると建物の内部も傷んでしまうため注意が必要です。


建築板金の劣化や不具合は、必ず専門業者に確認してもらいましょう。建物の外から目視できるところばかりではないので、自分で確認しようにも高所の場合は特に危険です。信頼できる専門業者に定期的な点検を依頼し、適切なメンテナンスを行ってもらうようにしましょう。


具体的なメンテナンスとしては、多少のサビや部分的なサビであれば塗装をするだけで済む場合もあります。しかし、全体的なサビや穴などがある場合は交換が必要です。いずれにしても、専門業者に相談することが大切です。


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■まとめ

建築板金は、日本のほとんどの住宅で使われている重要な存在であることを解説してきました。普段あまり気にしていない人が多いかもしれませんが、実は大切な住まいを守るために欠かせない役割を果たしているのが建築板金です。


金属製の屋根や外壁はもちろん、雨樋や庇板金、屋根板金など、さまざまなところで建築板金は活躍しています。定期的な点検と適切なメンテナンスで、大切な住まいを守りましょう。


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