「建築板金工で年収600万は本当?」収入のリアルと“稼げる人”の共通点とは

「建築板金って、どれくらい稼げるの?」

求人情報を見る中で、ふと気になった人も多いのではないでしょうか。月給30万円スタート、年収600万円も可能――そんな言葉を見かける一方で、実際のところがわかりにくいのが建築職人の世界です。経験者と未経験者でどれほど差があるのか、年齢によって収入はどう変わるのか、そして本当にその金額にたどり着けるのか――疑問は尽きません。


建築板金は、屋根や外壁などに金属板を加工・取り付けする専門的な仕事です。技術と精度が求められる分野である一方、働き方や環境によって収入の幅が大きく異なります。未経験からでもしっかり育ててくれる現場もあれば、見習い期間が長く収入が低めに抑えられる職場もあるなど、その差は求人票だけではなかなか見えてきません。


この記事では、建築板金職人の収入の実態を、年代別・キャリア別に丁寧に分解しながら見ていきます。「しっかり稼ぎたい」「家族を養える仕事がしたい」と考える方が、自分の未来を描きやすくなるよう、リアルな数字とともに解説していきます。




年代・キャリア別に見る、収入のステップアップ例

建築板金の年収は、経験年数や現場での役割によって大きく変わります。たとえば未経験で入社した場合、最初の数年は「見習い」としての立場になります。この期間の月収は20万円前後が一般的で、賞与がない現場も少なくありません。ただし、仕事を覚えて現場での動きがスムーズになれば、年収は徐々に上がっていきます。


3年ほど経験を積んだ職人は、現場で責任ある仕事を任されるようになります。金属板の加工や取り付けを一人で行えるようになれば、月収25万〜30万円前後に上がり、年収でいえば350万〜450万円のゾーンに入るのが一般的です。ここまで来れば、「しっかりと生活できる仕事」としての安定感も見えてきます。


さらに、職長やリーダーとして現場全体を管理できるようになると、月給が35万〜40万円、年収500万円以上というラインも見えてきます。職人としての技術力だけでなく、後輩を指導したり、安全管理に責任を持つ立場になることで、収入にも反映されるのです。


また、40代・50代のベテランになると、独立して一人親方として働く人もいます。この場合は請負制となり、繁忙期には月収50万円を超えるケースも珍しくありませんが、その分責任や経費も自己負担となるため、収入の波もあります。


年齢に比例して自動的に年収が上がるわけではありませんが、着実に経験を積み、信頼を築いていけば、建築板金は「収入がついてくる仕事」です。最初は見えにくかった将来像が、年々くっきりと形になっていくのが、この職種の特長でもあります。




年収600万円を目指すならここが違う|現場・姿勢・継続力

同じ建築板金の職人でも、年収400万円台にとどまる人と、600万円以上を安定して稼ぐ人とでは、いったい何が違うのでしょうか。技術や経験があることはもちろんですが、それだけで結果が出るわけではありません。高年収を実現している人たちには、いくつか共通する“考え方”や“働き方”があります。


まず一つ目は、「どんな現場を選んで働いているか」です。公共施設や大型工場の屋根工事など、規模が大きく、工期が長い現場では、単価も高く安定した収入につながる傾向があります。こうした現場に呼ばれるには、信頼と実力が不可欠ですが、一つひとつの仕事を丁寧にこなし続けた人だけが、そうした現場に声をかけられるようになります。


二つ目は、「現場での姿勢」です。ただ言われたことをやるだけでなく、段取りや仕上がりの質、後輩への声かけなど、現場全体を見て動ける人は評価されやすくなります。いわゆる“任せられる人材”になることが、給与やポジションアップにもつながっていくのです。


そして三つ目は、「継続力」です。建築板金の技術は、1年や2年で身につくものではありません。天候や現場の条件が厳しいときもありますが、それをひとつひとつ乗り越えてきた人にだけ、安定した収入と信頼がついてきます。継続して同じ会社で働くことは、それだけで評価につながる要素です。


つまり、年収600万円という数字は、特別な才能を持つ人だけのものではありません。「選ぶ現場」「取り組み方」「積み重ねる年数」――この3つを意識して働いていくことで、誰にでも十分に手が届く現実的なラインなのです。




資格や経験でどう変わる?手当・役職・独立後の収入

建築板金の収入アップにおいて、「資格」と「経験」は欠かせない要素です。現場での評価はもちろん、手当や昇給、将来的な独立にも直結するため、長くこの仕事を続けるうえで意識しておきたいポイントです。


まず資格について。建築板金に関連する資格としては、「建築板金技能士(国家資格)」が代表的です。これは実技と学科の両方で構成されており、1級〜3級まで段階があります。たとえば、2級を取得すると「一通りの作業ができる職人」として見なされるため、資格手当の対象になる企業も多く、収入面でのメリットがあります。また、1級を持っていると職長や現場監督を任される可能性も広がり、基本給の底上げにもつながります。


一方、資格がなくても働けるのが建築板金の特徴ですが、経験を重ねることで“現場力”が評価されるのもこの業界の現実です。道具の扱い方、作業のスピード、仕上がりの美しさ、安全配慮など、すべてが「目で見て分かる」スキルとして積み重なっていきます。この経験値こそが、昇給や現場単価のアップにつながる最大の武器です。


さらに、経験と資格を活かして独立するという選択肢もあります。いわゆる「一人親方」として請負契約で働く場合、月50万〜70万円程度の収入を得ている職人も存在します。ただし、道具・資材の準備や保険・税金の管理など、すべて自己責任になるため、ある程度の覚悟と準備が必要です。


資格と経験は、それぞれに役割があります。早いうちから「いつか取りたい資格」を決めておくことで、日々の仕事にも目標が生まれ、自然と成長スピードも上がっていくはずです。収入を上げたいと思ったとき、まず見直すべきはこの2つの積み重ねです。


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稼ぐだけじゃない、長く働ける“選び方”も大事

建築板金で安定して稼ぐには、ただ技術を磨くだけでなく、「どこで働くか」という選択も非常に重要です。特に未経験からスタートする人にとっては、初めて入る会社がその後の働き方や収入に大きく影響します。実際、同じような仕事内容でも、会社によって給与体系や評価の仕方、働く環境は大きく異なるからです。


まず注目すべきは、教育体制があるかどうかです。未経験で入社しても段階的に仕事を教えてくれる会社であれば、安心して技術を身につけていけます。見て覚えろというスタイルが残る職場もありますが、最近はマンツーマンでの指導や社内研修を行っている企業も増えています。働きながら成長できる環境があるかは、長く続ける上で非常に大切なポイントです。


次に、人間関係の風通しの良さです。建築板金はチームでの作業が多いため、職場の雰囲気が自分に合っているかどうかは収入以上に大事になる場面もあります。質問しやすい先輩がいるか、困ったときに声をかけやすい空気があるか。見学や面接時に、社員の表情や現場の様子を見るだけでも、ある程度は判断できます。


さらに、評価制度や昇給の仕組みが明確かどうかも忘れずにチェックしましょう。「頑張っても給与が上がらない」「何をすれば昇格できるのかわからない」といった不透明さがあると、働き続けるモチベーションを保つのが難しくなります。逆に、目標がはっきりしている職場では、日々の頑張りが形として返ってくる実感が得られます。


稼ぐことももちろん大切ですが、それだけを追いかけて転職を繰り返してしまっては本末転倒です。自分に合った環境で、無理なくスキルを高めながら働ける会社を選ぶこと。それが、結果として収入アップと長期的な安定の両方を叶える近道になるのです。


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